近所の農協に立ち寄った時のこと。
店頭で何やらキャンペーンを行っているらしい。
いつもならそういうのは避けて通るのだが、何やら気になったので近寄ってみたところ、遂にこの辺境の地にも光が来るという話だった。
何年か前は光が来るのを待ち焦がれていたものだったが、今ではNTT基地局から500m、損失7dbというADSLにとっては天国のような好立地条件に居を構え、下りに限れば20M超の速度が得られている現在では、光が如何に速いといっても、ネットワーク全体の速度の限界もあり、それほど魅力を感じないのが現状である。
だが考えてみよう。
小さい頃、高嶺の花だった女の子がある日突然、目の前に現れて自分から言い寄ってきてくれている状況。それもお土産にノートパソコンとか、現金3万円をあげるというのだ。一体それを一刀両断に断れる男子がいるだろうか。
とりあえず保留というか、工事可能な時期にもう一度どうするかを連絡してもらうということで手を打った。

インターネットを始めたのが1997年。
当時はアナログの56Kモデムを使ってネットに接続。
3分10円の電話料金を気にしつつも楽しいネットライフだった。
すぐにテレホーダイという、午後11時から午前7時?までは定額で接続できるサービスが始まり、午後11時以降は電話料金を気にせず接続できるようになった。
じきに56Kのアナログモデムよりも安定して接続時間も早く速度も速い64KのISDNが始まった。当然、ISDNに乗り換えて、圧倒的な接続時間の速さと、微妙に高速になった回線に満足していた。
2000年に入ってからだったか、この辺境の地にもADSLが来ることになった。
1.5Mという、現在では鼻で笑ってしまえるような速度だが、当時の64KがMAXの時代に、いきなり20倍以上の速度を誇る回線の登場に狂喜乱舞した。
もちろん直ぐに乗り換えた。
多分、この時の乗り換えが今のところ体感できる一番の速度の変化だったと思う。
その後、50Mのサービスが始まったので乗り換えてみたが、確かに速度は早くなったが、実測1.3Mが20Mに変わったところで、ネットで遊んでいる限り、体感速度はそれほど劇的な変化は無かった。多分自己満足がほとんどだったのだろう。
それでも、ネット環境が動画のストリーミングといったサービスが始まってくるとそれなりに下り50Mの回線は問題なく使えているので1.5Mからの変更は正解だったと思う。
ここへきて隼で1Gbとか言われても、正直ピンとこない。
一体その圧倒的な速度を何に使えばいいのだろう。
現状では、全く問題なくつかえているADSLから乗り換えるメリットが見当たらない。
いくら最終速度が上がったところで、律速段階となる箇所がネット上に存在するのだから、ダウンロードの速度はそれほど変わらない気がする。
積極的に考えるとすれば、アップロードが2Mで頭打ちだったところが、一気に100倍とかの速度になるのだから、その辺は体感速度の変化も感じられるような気がする。
あーだこーだ考えて、理性的に考えれば、今のADSLから光に乗り換える必要性はそれほど感じない。
が、ネットを初めて30年近く、速度に飢えてきたおいらの歴史を考えれば、そこによりよい天国があるのなら、なんで行かずにおられようか!というのが、正直なところだろう。
そういえば、我が家のLANの配線もギガビット対応だったような気がする。
ここへきて、ようやく本来の性能を発揮できるのか?
そう考えれば初期投資が無駄にならなかったということで、一応理由も立つのだろうか?などと、うだうだ考えているのであった。
まあ、結論は出ている気がするが…