白味噌餡雑煮うどん

今日は勤労感謝の日なので、満濃公園にサイクリングにでも行こうということになったが、生憎天候に恵まれず、途中で断念した。次の機会に向けて息子の自転車用のヘルメットを買い、日用品をシマムラで買った頃、丁度お昼になったので昼食をかなくまうどんでとることにした。
http://www.kanakuma-fukuda.jp/
ここのうどんは、何度か食べたことはあるが塩っ辛い印象しか残ってなかったので、あまり積極的に食べに行くことは無くなっていたが、いつ通っても駐車場が満員なので久しぶりに来て見たわけだ。
おいらは天ぷらうどん、子供たちはざるうどん、奥さんは11月からの期間限定「白味噌アン雑煮うどん」を注文した。
麺は太めで、少し色づいているので変わった小麦粉を使っているのかもしれないが、麺のコシやのど越しや風味は、及第点ではあるものの、これは!と驚くものでは無かった。驚いたのは、だし汁の味である。前は、しょっぱいとしか感じられなかった汁の味が、しばらく来ない間に劇的な変化をしていた。イリコの風味が増し、実にまろやかで他の調味料と調和のとれた風味豊かな味に仕上がっていて美味しかった。
子供たちのざるうどんの麺つゆは、さらに濃厚にイリコ風味が増しているものの、イリコの内臓処理を横着するとすぐに出てくる生臭さがまったく無く、イリコの旨みだけが濃縮された、麺つゆだけを飲んでも美味しいと感じる濃厚な麺つゆだった。
極めつけは奥さんの頼んだ白味噌アン雑煮うどんだ。
白味噌アン餅雑煮は香川県でも西の地方独特の雑煮で、白味噌のしょっぱい汁に餡餅を入れたもので、話を聞いただけでは多分ゲテモノだと思われることだろう。
おいらも、子供の頃は苦手だったが、そのうちこの白味噌と餡餅の組み合わせの絶妙さに気が付くとやみつきになってしまった。
雑煮の中の餡餅を一噛みして咀嚼する間に汁をすする。すると餡餅で甘ったるくなった舌を甘じょっぱい白味噌が洗い流してくれ、その後餡餅と白味噌の混じりあったなんともいえない味のハーモニーを体感できるのだ。
いきなりこれを体感するのはどうも・・・という人向けなのか、白味噌餅雑煮うどんというものもあるが、正直これでは物足りない、というか醍醐味を味わえないではないか。どうせ食すなら白味噌アン雑煮うどんにしてもらいたい。
白味噌アン雑煮うどんは、正月に食べている白味噌餡餅雑煮にうどんをいれたといった表現がピッタリというか、白味噌餡餅雑煮としても、先に述べたようにイリコの処理が素晴らしいので、普通の家庭では出せない逸品だ。餡餅を一口食べて汁を飲んだが、この味の奥行き、広がり方というのは、今まで家庭で食べてきた白味噌餡雑煮では味わったことの無い領域だった。それに加えて香川県の特産であるうどんをいれてあるのだから、これは本当にお勧めのご当地グルメです。
一回目では、脳の中に白味噌餡雑煮というカテゴリーが出来ていないので、未知なる味に衝撃を受けるだけだろうと思われるので、出来れば2度、3度と食してもらえれば、これが白味噌餡雑煮というものなのだという脳の受け入れ態勢が整うだろうから、そこからが至福のときを感じられるようになるでしょう。
11月からの期間限定なのと、何度か味わわないとその醍醐味を感じるのが難しいかと思われるのが、お手軽さを欠くところではありますが、積極的にお勧めしようと思います。